ヒリダスの余分ログ

よぶんこそじぶん。などと思ってみたり、みなかったり。

20170709 長財布

誕生日プレゼントに、
新しい財布を買ってもらった。
買ってもらったと言っても、
我が家は財布を分けてはいないので、
自分で買ったとも言えるのだが。


30代に突入することもあり、
新しい気持ちで生活する部分もあってもいいのでは
と思い、財布を変えることにした。


古い財布を買ったのは10年前。
バレンタインデー近くに買ってもらったものだ。


若々しい紺色のボディに、
ブラウンのステッチで縁取りされた革の長財布。
買った当時の写真を見ると驚くのだが、
今ではボディの色が状態の悪い青アザのような色になり、
縁のステッチもボディと同じ色に変色し、
色のコントラストがまるでなくなっている。
さらに縁取りは途中でちぎれ、
ファスナーについていた革の取っ手も何処かへ行き、
あちこち縦横無尽に傷跡が目立つ。


話せば長くなるので割愛するが、
この財布を買ったときは、
私と妻、二人併せての経済状況がまだまだ
発展途上の時期であった。
当時この財布の1万7千円という価格は
家計的に見てとても贅沢なものであったのだが、
新しい就職先に勤めて間もない私に妻が
(当時はまだ恋人か)
「これから大人として格好いい財布を持っておかないと」
と買ってくれたものだった。


新しい財布をレジで会計している最中に
そんな10年前のことがフラッシュバックして
何だかこみ上げるものがあった。


この先10年は、
新しい財布を大事に使っていくつもりだ。
落としたりしないように気をつけないと。


古い財布は、大事にとっておくことにした。
まじまじと眺めると、
傷もほころびも味があって格好いい。
10年間の働きをねぎらうように
丁寧に汚れを拭き取り、箱へとしまった。