ヒリダスの余分ログ

よぶんこそじぶん。などと思ってみたり、みなかったり。

20170910 気のいいおっちゃん

職場で定年退職される方がいて、
先日その方の送別会が行われた。


私とその方は別部署で、
歳も30以上離れている。
私は現在の勤務先に移動して
まだ1年に満たないので、
仕事自体で密接に関わることはなかったが、
一度移動したての頃に
まだ職場に馴染めずにいる私を見計らってか、
その方に飲みに誘っていただいたことがあった。


どちらかと言うと
「仕事一筋で頑固」などという印象ではなく、
いい具合にいい加減で適当で
まさに「気のいいおっちゃん」を
体現したような人で、
職場の皆は「まったくあの人は」と呆れながらも
どこかその人を心の拠り所にしているような、
そんな人だった。


で、上記の送別会に話は戻る。
会の終盤、
その方が私の隣に来てくださり、
少しだけ話をした。


その時に、初めて知ったのだが、
初めて一緒にお酒を飲んだ日に
私が自己紹介がてらにした
妻との馴れ初めの話を
その方は覚えていてくれた。


入社したての若造の
普通なら興味もないような話。
しかもお酒が入っている席の話。
私が同じ立場だったら覚えているだろうか。
私はその事実にじんとした。


送別会での最後の挨拶。
その方は「自分は仕事の腕はなかったけど
人にだけはずっと恵まれてきた」と
社員皆に向けて語った。
私はその話を聞きながら、
初めてのお酒の席で、
その方が「手前味噌だけど」と前置きしながら
自分のチームの同僚達を信頼していると
熱っぽく話してくれたことを思い出していた。


その方が
人に恵まれるだけの理由を垣間見た気がした。
私もいつか、
あんな気のいいおっちゃんになりたいと思う。